埼玉協同病院
 
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医療の質・診療実績

 クリニカルインディケーター(臨床指標)


 クリニカルインディケーターという言葉を、初めて目にする方も多いと思います。クリニカルインディケーターとは、医療の質を定量的に評価する指標のことで、医療の質の良否を客観的に測ることのできる「ものさし」にあたります。臨床指標は、ある医療行為等を行なった全対象を分母として、得られた「望ましい結果(望ましくない結果)」やそのプロセスの適切さの程度を「比率で表す」という特徴があります。そうすることで、他の施設や世の中の標準と比較することができます。
 当院では、約400項目のクリニカルインディケーターを設定して、医療水準・質の面での改善課題や引き上げ目標を明確にしてとりくんでいます。ここに紹介した診療実績はその一部です。

2010年 埼玉協同病院のクリニカルインディケーター(1〜12月)(PDF398KB)
がん検診の精度と要精査者の精査率
外科手術の指標
糖尿病治療の状況

 がん検診の精度と要精査者の精査率

  今回は、がん検診の指標についてです。検診の精度を発見率で見ています。表は2010年の5つのがん検診の発見率です。発見の頻度はとても低いものなので、誤差範囲を見込んだ「95%信頼区間(※)という手法を用いて範囲で示しています。これを見ると、胃がん、乳がん、子宮頸がんは、全国集計(対がん協会集計05)と同等ですが、大腸がんと肺がんは低い結果となっています。その理由は、検診で異常があり精密検査(精査)が必要と指摘された方のうち、実際に精査を受けた方の割合(精査率)が全国平均に比べてとても低いために、がんの発見ができないでいるからです。つまり、精査を受けていない方の中にがんが隠れている危険性があります。異常を指摘された人が放置しないで精査を受ければ、発見率は全国レベルになると考えられます。

※95%信頼区間・・同じ集団に同じ方法で検診を行ったとき、100回中95回はこの範囲に入ることを意味する

[表]がん検診の要精査率と発見率

  胃がん 大腸がん 肺がん* 乳がん 子宮頸がん
発見率 当院実測
95%信頼区間
0.11
0.04〜0.18
0.09
0.04〜0.14
0.01
0〜0.02
0.23
0.05〜0.41
0.1
0.01〜0.18
全国集計 0.13 0.17 0.04 0.24 0.06

*肺がん(当院)は09-10年の集計                                              (単位%)

 精査率は、検診の種類によって大きな開きがあります(図)。健診センターでは要精査の方に個別に受診のお勧めをしていますが、2010年の精査率は、2009年に比べると大幅に改善したものの、胃がんで37%、大腸がんでは24%で、肺がんではわずかに18%です。大腸がん検診で便潜血が陽性となった方の4人に3人は精査を受けていないことになります。どのがんも早期で見つかれば完全治癒が可能な疾患です。きちんと精査を受けていただくようにお願いいたします。
要精査者の精査率


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 外科手術の指標

 外科手術に関する指標はたくさんあります。
 1つは、手術と1口にいっても、その難易度はさまざまです。消化器外科学会は、外科医師の修練プログラムを策定し、消化器外科専門医となるための要件として、低難度〜高難度手術を少なくとも各50例以上、合計450以上の手術経験を有することなどを設けています。指定修練施設では、指導医のもとで必要な手術ができる施設であることが求められます。十分な経験ができるよう、難度別手術の実施数を測定しています。2008年から、高難度、中難度の手術が増えていることがわかります。

消化器手術難度別件数・割合

 また、術中・術後の合併症がなく、順調に経過して早く退院できることは、誰でも願うことでしょう。外科では、術後の感染症や合併症の頻度、緊急再手術となった件数を減少させるべき指標として測定しています。難しい手術の場合、それだけ合併症のリスクも高まりますし、高齢の方や、糖尿病や心疾患、肝蔵・腎臓や呼吸器の病気などがある場合も麻酔によるものも含めて合併症のリスクは高まります。手術チームの技術と、リスクに応じた術前後のケアによって最小限に抑える努力がされています。
 がんの手術で最も多い大腸がん手術の件数と合併症(左図)をみると手術件数は年々増加していますが合併症は減少しているのがわかります。また可能な症例では、腹腔鏡を用いた低侵襲手術をとりいれています(右図)。

大腸がん手術・合併症


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 糖尿病治療の状況

治療状況3年間の推移

 糖尿病外来に通院している2型糖尿病の患者さんは約2800人いらっしゃいます。その治療状況の3年間の推移です(6ヶ月以上通院している方の6〜7月の値)。糖尿病は、血糖値を適正にコントロールして、網膜症や腎不全、末梢神経障害などの細い血管の変化によって起こる合併症を予防するのが治療の目標です。
 血糖値は非常に変動が大きいので、1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映するHbA1cという値が、糖尿病のコントロール状況を表すよい指標とされています。

指標 不可
不十分 不良
HbA1c(JCD値)(%) 5.8未満 5.8〜6.5未満 6.5〜7.0未満 7.0〜8.0未満 8.0以上

 棒グラフは、6ヶ月以上通院している患者さんの平均値です。2009年、2010年とデータが改善しています。糖尿病データマネジメント研究会が2007年に行った調査では(60施設、約4万人のデータ)、平均HbA1c値は6.85%(グラフ点線)という結果でしたので、これに比べてもよくコントロールできていることがわかります。折れ線は、7%未満にコントロールできている人の割合で、約3分の2の方がコントロール目標を達成しています。
 当院は4人の糖尿病専門医と、10人の糖尿病療養指導士が、チームを組んで患者さんの療養をサポートしています。



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